青いポスト2

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青いポスト2

信之が初めて青いポストの存在を知ったのは、小学校二年生の時だった。 夏休みに自分宛の手紙を書いてみよう、という宿題が出たのだ。親戚や祖父母、引っ越した友達に手紙を書いたことはあったが、自分宛に手紙を書いたことはもちろん無かった。 (さて、何を書こうか) 信之はお気に入りの戦隊ヒーロー『マックスライダー』の鉛筆の尻部分を口にくわえて考えた。 (マックスライダーについて書こう) 「二学期の目標を自分宛の手紙に書きましょう」という内容など、信之の目には入っていなかった。 『のぶゆきへ なつやすみはたのしいですか? ぼくは、マックスライダーをにちようびのあさに見るのがとてもたのしいです。 プールとラジオたいそうはなんかい行きましたか? ぜんぶ休まなければ、お父さんがマックスライダーのしょうにつれてってくれると言ってたのでがんばろうね。 マックスライダーはもうすぐ おわりになって、つぎのテレビがはじまるらしいけどマックスライダーはなんでおわるのかな。 のぶゆきより』
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