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二学期初日。信之は心弾ませて登校した。自分宛の手紙がちゃんと戻ってきたことが嬉しかったし、何よりも嬉しかったのがただ戻ってきたのではなく、ちゃんと返事が書かれていたことだ。それを友達に自慢したくてウズウズしていた。しかし、手紙のことを言うとみんな変な目で信之を見た。
「うそつけ。自分から返事なんてくるわけねーだろ」
「見せてみろよ」
仲がよかったはずの友達から心無い言葉を言われ、涙が出そうだったが、こらえてランドセルから手紙を出した。これを見せればみんな驚くに違いない。
「これだよ!」
友達は信之の手元をのぞきこんだ。そしてお互い顔を見合わせにやりと笑った。
「これって、何もねーじゃん」
「やっぱうそつきだ!」
「もしかして、宿題忘れたからうそついてんじゃねーの?」
友達は笑って信之の席から離れていった。信之はこらえきれず、涙を流した。その涙は確かに信之が手で握りしめている便箋に当たった。
『のぶゆきへ
なつやすみはたのしかったね。
マックスライダーをにちようびのあさに見るのがもうすぐおわるよ。
プールとラジオたいそうはぜんぶ行ったね。
ぜんぶ休まなかったからお父さんがマックスライダーのしょうにつれてってくれたね。
マックスライダーはわるものにたおされて、マックスライダーのおとうとがつぎのヒーローになるんだよ。マックスライダーはしんでないよ。マックスせいにかえったっていってたよ。
のぶゆきより』
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