エピローグ

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エピローグ

「いやあ久し振りやのお。元気やったか?」 「おっさんも元気そうだな」  数年振りの再会にしばし握手をしたまま、互いに懐かしんだ。 「なんや、結局姉ちゃんが一緒どころかもう一人連れてきたんかい。ま、なんにせよめでたいこっちゃ」  何の因果か、オレはいつの間にか豆井戸美麗と結婚し、男の子をひとりもうけていた。  どこでどうして、こうなったのかの記憶が定かではないのだが、いま幸せか不幸かと問われれば、『幸せ』なので、まあよしとしよう。 「もう学生は卒業したんやろ? いま何しとるんや?」 「皆野さんの下で、園路さんたちと一緒に無線機器の開発をしてる。おっさんの携帯電話、いつ壊れても直してやれるよ。おっさんの方は、調子はどう?」 「まあ、ぼちぼちっちゅうとこやなあ。兄ちゃんの親父さんと握手したけんども、国同士の話っちゅうのはまた別やさかいな。無期限の休戦協定までは結んだんや。まあそれでもかなり進展した方と思うけどな。いまんところ平和や。やっぱ平和が一番やな」 「親父が役立たずで、終戦まで持っていけず、休戦止まりで申し訳なかったな」     
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