豆井戸美麗(一)

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 どうせ溺れるなら美麗らしくかわいく溺れなきゃね。かわいく溺れるにはどうすればいいのかな? 何か理想的な方法はあるのかしら?  ううん、そうねえ。よし、グーグル先生に聞いてみよっと。 『理想的な溺れ方』  っと。うん、何なに? 『溺れたエビの検死報告書』?  何じゃそりゃ? 美麗は甲殻類じゃないっちゅうの。  次は『水難事故の救助法』か。  いや、美麗は助けられる方なんだけどな。美麗が救助してどうする。  待てよ。確かにこんな展開は考えられるわね。  カッコいい男性が溺れているところを美麗が助ける。意識を失って海辺に横たわる彼にマウス・トゥ・マウス。  やがて意識を取り戻した彼が目を開ける。美麗の目をじっと見つめ……  いやん、それ以上は想像するの恥ずかしい!  それにしても溺れる男性ってどこにいるのかしらね?  保育園に通ってる頃から江の島に住んでるけど、溺れてる男の人って見たことないもんね。  残念ながらこれは却下だわ。  続いてはっと。ふんふん『家電の海に溺れたい』か。  そうねえ、美麗も嫌いじゃないわね。最近は女子力アップする家電も増えてきたし、一度溺れてみてもいいかもね。ってそうじゃないやろ、おい。  気を取り直して、その次はっと。 『陵辱の香りに溺れる美淑女』ね。     
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