俺のバイト事情

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「いらっしゃいませ~~っ、お一人様ですか?」 「…………はい」 首だけ動かして来店客の対応をするナオ。いつものことだが、聞き慣れた声が聞こえ俺も振り向いた。 「おう、レイか。いらっしゃい」 「あの、アクマさーー」 「ええっ?!先輩っ、先輩の友達が女の子なんてあたし(・・・)聞いてないよっ!」 「言ってないからな」 俺とレイを交互に見て目をキラキラさせるナオ。これだから、コイツに知られるのは嫌だったんだ。(ナオ)は何でも色恋にすぐ結びつけるし……。 「あの、アクマさん……バイト先に、女性……いた、の?」 「ん?言ってなかったか?」 「うん……」 何やらレイは浮かない様子だ。どうしたものかと首を(ひね)っていると、ナオがレイに近寄る。 「レイさんって言うんですね?あたし、ナオって言います!安心してください、あたしはーー」 レイの耳もと近くで小声で(ささや)く。すると、レイは顔を真っ赤にさせ、慌て始めた。 ーーナオの奴、何言いやがった……? 俺の胸中にモヤモヤが広がる。
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