26人が本棚に入れています
本棚に追加
「アクマ先輩……ヨボヨボですけど、大丈夫です?」
「これが大丈夫に見えるか……?ナオ…………」
とある俺のバイトの日。ナオは俺の姿を見るなりそう言ってきた。
ーーナオにも分かるほどのやつれ具合ってことか……。
「俺のガッコーの文化祭の準備でな……忙しくてよ…………」
バイトが休みでも文化祭の準備で夕方くらいまでするため体の休養が足りてないらしい。
「文化祭ってことは……他校の人でも入れますよね?!」
「あ、ああ……そうだな」
妙に食らいついてきたナオの反応に俺はたじろぐも、そう答える。
「トモ先輩に会える~~~~っ!」
「…………」
そうだった。ナオはトモのファンだった。
「ナオちゃん、ちょっと騒がしいよ?アクマくん、今良いかい?」
「……はい、マスター」
テンションマックスなナオに絶対零度の言葉を浴びせ、俺に優しく接してきたマスターを見て背筋が寒くなった。
最初のコメントを投稿しよう!