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「アクマくん、休みなさい」
「へ?」
厨房でマスターににこやかに告げられ、俺は固まる。
「マ……マスター……。それって、クビってことですか…………?」
俺は動揺し口が渇く。高校から近く、高校生可、まかないつきで、定時に上がれるーーこんなに良い条件のバイト先はなかなか見つからねえ。
ーー新しいバイト先を探しつつ、文化祭の準備も手伝うってことか……?
脳内で考えをぐるぐる巡らしている間に、マスターはつけ足す。
「ごめんごめん、言い方が悪かったね。有休扱いで文化祭まで休んで良いよ」
「え……?」
「年末年始も店で働いてくれたしね」
「いや、でも……」
そんなの他のバイト連中に迷惑じゃ……。
「大丈夫。ナオちゃんを馬車馬のごとく働かせるからね」
「トモ先輩のためなら喜んで~~っ!」
「「…………」」
ナオ……。お前、またマスターに説教されるぞ。マスターの背中の炎が見えねえのか……?
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