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「レイ!!」
俺は叫んでいた。レイは肩をすくませ、振り返る。
「アクマさん……」
ぽつりと声を漏らし、レイは後ずさる。その反応が気に食わなくて、俺の声は低くなる。
「さっきのことだけどーー」
「す、すみませんっ。時間をくださいっ」
「あっ、おい……っ」
一緒に話していた男子を盾にして、レイは逃げていった。追いかけようにも、その男子が行手を阻みやがる。
「アイツ、追いかけたいんだが……」
「嫌だね。俺の大切な子だから、傷つける奴には容赦しないよ」
にこにこにこにこ。笑っているのに笑っていない。薄茶色の髪の男子が誰かに似ていると思った。
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