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「何て言えば良いんだ……」
俺は家で布団の上に寝っ転がって、スマホを握っていた。
『直接が無理なら、メッセージでも送れば?』
トモの助言に飛びつき、俺はレイへのメッセージを家で考えていた。
書いては消し。書いては消しを繰り返して。結局、行き着いたのはたった四文字。
ーー『話したい』
送った後に俺は思う。もう少し気のきいたことを言えなかったのかと。取り消そうと思った時にはもう遅く、既読の表示が出ていた。俺はスマホを握りしめ、返信を待った。
五分。十分。三十分。一時間。無情にも時間だけは流れていき。気がつけば、暗かった外が明るくなってきていた。
ーー既読スルーかよ……。あの野郎、ガッコーで絶対文句言ってやる……っ!
俺はずんずん足を踏み鳴らし、登校した。
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