二皿目・勇気のスフレオムライス

2/18
前へ
/267ページ
次へ
厨房を出た私は窓際の席で、藁島特製のプリンを食べていた。 死ぬほどまずい卵サンドの口直しとして藁島が出してくれたのだが、悔しいほどおいしい。 卵の風味と滑らかな食感。 手作りらしい素朴な味は、少し西ばあの味を思い出す。 プリンに舌鼓をうっていた私だが、窓辺に佇む藁島の視線に気づき顔をあげる。 ちらちらとこちらを向き、話を聞いてもらいたそうだ。 「どうぞ、ブレンドのホットコーヒーです。そのプリンによく合うと思いますよ」 「ありがとうございます」 獅々田さんは私にコーヒーを出すと、斜め前の席に座った。
/267ページ

最初のコメントを投稿しよう!

93人が本棚に入れています
本棚に追加