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「形状も味も一切わからないなんて、ヒントが少なすぎる……。獅々田さん、西ばあが作っている所とか見たことありませんか?」
耐熱皿を取り出し、背後にいた獅々田さんに尋ねる。
「残念ながら、僕は料理に一切かかわっていなかったので。しかし、一応、顧客リストならありますよ。それから、それぞれのお客様によく作っていたレシピも」
「なんだ、そういうのあるんじゃないですか」
そういうことは早く言って欲しい。
この人は少しのんびりしたところがあるようだ。
厨房を出て、カウンターの下の方を探しだした獅々田さんを見ながら安堵する。
これで、なんとか作れそうだ。
そう思ったのも、つかの間のこと。
私はすぐに【魔法のランチ】の難しさを実感することになるのだった。
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