封筒とパンドラ

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「なあ孝介」 「何?」 「俺達にも関わるってどういうことだ?」 「僕もわかんないなぁ......ってそうだ」 何を思い立ったのか、孝介が立ち上がる。 「何だ」 「あの封筒の中身のこと推理してみない?」 これまた面倒そうな事で。 「却下だ。どうせつまらん」 「じゃあ先輩が帰ってくるまで何かすることあるの?」 ........言われてみれば何も無い。本も漫画も持って来てないし。少しぐらい頭を使ってみるか。 「分かった。その代わり俺が勝ったらジュース一本奢りな」 「じゃあ僕が当てるか、倫太郎が外したら僕にジュース一本奢りね」 明らかに孝介有利な条件ではないか。これは卑怯だ、不公平だと主張したい。 「.........本気か」 しかし俺が発したのはただ情けないだけの三文字であった。 「本気だ。さて、男に二言は無し。始めようか.......って、あれ?」 孝介が何かに気づいたのか、ドアの方を向く。俺も首をそちらに動かす。誰かがノックしたようだった。 「はい、どうぞ」 孝介がドアの向こうの誰かに向かって声を掛ける。失礼します、と一声言い、その誰かが部屋に入って来る。 「こんにちは。新しく天文部に入部する早河です。よろしくお願いします」 北上川が持ち込んだ問題、その2の登場だ。
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