封筒とパンドラ

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真っ直ぐに降りた髪と玲瓏たる声。背はあまり高くは無いが、それでも美少女と呼ぶには事足りぬことはないだろう。男性陣の些か頼りない着こなしとは対照に、彼女には制服がよく似合っていた。 「始めまして。5組の早河はやかわ文あやです」 「あ、どうも、1組の高宮倫太郎です」 慌てて自己紹介を返す。 「ここって天文部さんの部室ですか?」 「まあ一応はそうですね、はい」 我ながら間の抜けた返事であった。取って付けたような挨拶が可笑しかったかのか、それとも余程俺が阿保面をしていたのか、早河は俺の顔を見て少し笑った。 一つ咳払いをして彼女は言う。 「高宮さん。今日から天文部にお邪魔するので、はい、よろしくお願いします」 「あ、はぁ。どうも」 思うに、話が下手な人に応対を行わせることは本当に間違っている。こういう時は弁舌の立つ者ならば状況に合わせて上手く切り抜けられるのだろうが、生憎こちらはそのような技術は持ち合わせていない。 さて、どうする? 「新入部員さん?」 と、会話に入り込むように孝介が言った。ナイスタイミングである。
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