そして私は、フラれました

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みのりちゃんは、相変わらず、私によく話しかけてくる。 私も、ふと、みのりちゃんを、目で追っている自分に、はっとする。 「目の保養」 よ、「目の保養」 15歳も年下で、性格悪くて、KYで、ケチで、仕事もできない・・・・でも、美人なのよ。 背が高いのよ。 「並んで歩くとき、見上げて目が合う」 って、胸がきゅんとしちゃうのよ。 だからって、自分から告白なんて出来ない。 絶対に無理。 プライドが許さない。 だって、「みのりちゃん」だもの。 順調に営業成績を上げている私は、上司から期待をされている。 得意先とも、今のところ、大きなトラブルもない。 職場の同僚は、私を頼るし、年上のおじさま達からは、ちやほやしてもらっている。 そんな私が、「みのりちゃんが好き」と言えば、軽蔑の視線を投げかけられる事は間違いない。 だから、私から、絶対にみのりちゃんに告白なんてしない!そう、心に誓っている。 だけど、飲み会の帰りに、同じ電車に乗りあわせ、つい、声をかけてしまった。 「ね、お部屋見せて貰ってもいい?どんなお部屋なの?」 このくらいは、許容範囲のはず。 駄目なら、駄目で、 笑顔で 「どうせ、部屋が汚いんでしょ?綺麗にして、招待してね、みんなを」 とか、言えるもの。 にっこりとした笑顔をみせながらも、私の心臓はかなりの早さで脈打っていた。 みのりちゃんは、ちょっとの間、考えて、 「いいですよ。でも、少しだけ外で待って貰いますよ。少し・・いや、かなり待ちますよ。それでも良いですか?」 勿論!待ちますとも。
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