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そうして懸命に抗っていたライナだったがその精神は度重なる凌辱によってズタボロにされており、嫌でもその事を自覚せざるを得ないライナは何とか脱出の機会を探っていたが、魔力封じの首輪と鉄球付きの足枷は無情にライナ達を縛り付け、八方塞がりの状況にライナが歯噛みしている中、残党狩部隊の将兵達が箍の緩んだ規律のまま準備を終え、それを確認した指揮官は隣に立つローブを被った魔導士に対して声をかける。
「準備が終わった様だ、ダンジョンの捜索を頼むぞ」
「お任せ下さい、見た所発生したばかりのダンジョン、それほど時間をかけずとも概要を把握出来るでしょう」
魔導士はそう返事をするとダンジョンの入口に移動して杖をかかげ、指揮官はそれを確認した後に準備を終えた部下達に向けて口を開く。
「魔力捜索を開始する、それが終わりダンジョンの概要が確認でき次第、第三、第五分隊がダンジョンに突入する、残りの分隊は待機しておけ、標的を発見し抵抗が激しい場合に備えて捕虜のエルフを2人連れていけ、残る反抗的なダークエルフには教育をしてやっても構わんぞ、誰が主なのかをたっぷりとな」
指揮官の声を受けた部下達は雄叫びをあげてそれに応じるとダンジョン突入を命じられた一団がリーナとアリーシャをダンジョンに連れ込む為に引っ立て、残されたライナは残された者達の情欲と劣情の視線に晒されてしまう。
(……すまない、リーナ、アリーシャ、無力な私を赦して欲しい)
引っ立てられるリーナとアリーシャの姿を目にしたライナは無力感に唇を噛み締めながらその背中を見送り、押し留められなかった悔し涙が一粒滴となってその頬を濡らした。
マスタールーム
「……あの魔導士っぽい男、何してるの?」
マスタールーム魔水晶に映し出されているダンジョン入口に展開する残党狩部隊の様子を確認していたアイリスは、入口前に立った魔導士を指差しながら隣に座るミリアリアに問いかけ、ミリアリアは難しい顔付きになりながら口を開いた。
「……恐らくスキャニングの魔法をかける気だろう、スキャニングは半世紀程前に産み出されたダンジョン捜索に使われる魔法だ、習得するのが難しいがダンジョン内に魔力波を放ちダンジョンの規模を確認すると言うダンジョン捜索には欠かせない魔法だ」
「ふーん、便利な魔法ねえ」
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