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「彼氏がほしいだけなら別に僕じゃなくてもいいんじゃない」
八王子くんに釣り合う女になろうとこれだけ努力して、嫌われないように常に神経を張り巡らせて、ついでに言うとウザがられないように好き好きオーラを出すことすら我慢してる女に対して言う言葉がそれ?私は思わず声を荒らげてしまった。
「そんなわけないけど!?八王子くんがみんなから天才って言われてる裏で誰よりも朝早く登校してきて勉強してるのを私は知ってるもん!みんなが嫌がるような仕事率先して引き受けてるのも、さり気なく気を回してるところも、誰にも感謝されることなくやってること知ってるもん!私がどんだけ八王子くんのこと大好きだと思ってんの!?ふざけないで!?」
何を言われても我慢できるけど、私のこの気持ちを否定されることだけは我慢できなかった。例えその相手が八王子くん本人であろうと。だけど八王子くんの好きな女の子のタイプっておしとやかで控え目な大和撫子らしいんだよね。あーあ。この言い方は流石にまずかったよなぁ。
ところが、八王子くんはきょとんとした顔をした後にけらけらと笑い出した。この展開は予想してなかった私は呆気にとられてしまった。
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