前世からの逆算

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の小川が一瞬フリーズした…が、「そうなんだけどさぁ、このあいだ実は例の前世占いにいったのね、まぁ直ぐにでも山本さんにも結果話そうと思っていたんだけね、割と今のしがらみは前世の良くない連鎖みたいで、一掃した方がいいとか言われちゃってさあ…私的には今の状況否定された感じがして結構ひとりで考えちゃったんだよね…そんで、一番気になってた彼氏もあんまり結婚するのはオススメ出来ないみたいなんだよね。私さぁ前世で花魁だった時があって今の彼氏はその時の悲恋の相手みたいなんだ…だからその人の時と同じだから恋愛成就しないんだって、そんでね…その花魁だった時は結局馴染みのお金持ちのお客さんに身受けされてそこそこ幸せになったみたいだから、私には包容力と経済力がある人が良いみたいなのぉだから、新しい出会いもありかなぁとか考えてたら友達が合コン誘ってくれたのよぉ、タイミング的にもドンピシャだったし又これも運命かなぁ~ って感じちゃったんだよね…だから今日は可愛くしたいのよぉ。宜しく!私お昼大丈夫だから先に入ってね!」急かされて無理矢理早めのランチを取った後私は小川のまつ毛の手直しを始めた。細かい作業なので基本的には無心で施術するのだが、先程の小川の前世の話が頭から離れなかった。その感覚は小川のまつ毛を触る度に強くなり、自分の頭の中で妄想では無く回想シーンになって廻りだした。無心になれなくなり回想に意識を奪われそうになってたまらず私は手をとめた…「ごめん。咳でそうだからちょい席外すね。」バックルームで水を一口のんで深呼吸をしてからとにかく手先の作業だけに集中した。それでも小川の前世が私の中にやってきて頭がクラクラする。やっとの思いで作業を終わらせた時には身体中がガクガクになっていた。手鏡で自分の顔を満足そうに眺めてのんきに小川は喋りだす。     
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