ボクとご主人様②

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「なに?口移しがいいんなら、それでもいいよ?」 「…ばか。意地悪。」 頬がさらに赤くなるのを感じながら、ボクは少し乱暴にスプーンで食べさせた。 朝ご飯を食べ終えた後、アウディはまた作業部屋へと籠ってしまった。 (昨日みたいな事にならなくてよかったなあ…。) ボクはそう思いながら、洗い物をしていた。 (それにしても…。) ボクはふとアウディが作業部屋に籠りがちなことに、疑問を抱く。 (作業部屋で何をしているんだろう…。) 入るなとも言われているし、また何か変な服をボクに着せようとしているんじゃないかとヒヤヒヤする。 ボクが出かけるときのコートも、普段着ている紳士用のワイシャツもズボンも全てアウディのお手製だ。 本人が言うにはその昔、貴族が着る婦人服や紳士服を扱うお店をしていたらしく、服の材質からデザインまで全てを担当して手作りしていたそうな。腕前はかなりのもので、常連までいたらしい。 今自分が着せられているメイド服を見て、ため息しか出ない。 (まともな服を作っていた人が、なんでこんなマニアックな服作って着せるんだろう…。) たまにアウディという人が分からない。本当に凄い人だったんだろうか…。
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