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お昼も過ぎたころ、ボクは紅茶を淹れて、作業部屋の前に立った。
ノックをし、声をかける。
「ア…ご主人様、紅茶を淹れたよ。入っていい…ですか?」
言いつけどおりの言葉遣いでちょっと照れながらも、アウディが出るのを待った。
「君、紅茶を淹れてくれたんだね?ありがとう。」
いつもの優しい笑顔をボクは目で捉えた。
「…?どうしたの?」
不思議そうに見つめるアウディに、ボクはもじもじしながら本音をぽつりと言った。
「…最近、作業部屋に居るから何作っているのかなって…。」
「ごめんね。僕は夢中になると時間を忘れてしまうから。いつもは一緒に過ごすのに、寂しかったかな?明日は一緒に君と出かけると約束しよう。」
そう言って、ボクの頭を優しく撫でる。
「ほ、ほんと…?」
その言葉に期待してしまう。
「ん。約束だ。明日を楽しみにしていてね。」
「…?」
どことなく、アウディから言われた一言に違和感を覚えながらも、アウディと淹れた紅茶飲みながらゆっくり時間を過ごした。
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