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ボクとご主人様③
そしてボクがメイドさんになってから、三日後の朝が来た。
今日でこのメイド服から逃れられると思うと、心が軽くなる。
そして何より朝から気分が良いのは、アウディと出かける約束をしたからだ。
そしてそれはアウディも同じ気持ちのようで、鼻歌を歌っている。
どうしてアウディまで機嫌が良いのか疑問に思っていると、アウディがメイド服に着替えようとするボクを呼び止めた。
「今日はこの服を着て欲しいんだ。」
何か嫌な予感はすぐに的中した。それは真っ赤な色の女性用のドレスだった。
「………。」
今まで作業部屋に居た理由を理解し、ボクは言葉を失った。
「君に着て欲しくて急いで作ったんだ。やっぱ、嫌だよね。」
「当たり前だよっ!!ボク、女の子じゃないよ!」
ボクは口を含まらせながら、アウディを睨む。
「でも、言いつけは守ってもらわないと、ね?」
得意げな顔をするアウディにボクはもうため息をつくしかなかった。
わかったよと渋々返事をし、真っ赤なドレスに手をかけた。
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