ボクとご主人様③

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山道は朝日が照らされ、空気も澄んでいて、心地よかった。 こんな所で、まるでお姫様のように大切に扱われながら、山道を歩いていく。 そのまま真っ直ぐアウディの顔を見ることができなかった。 山道を越したところは景色がよく見える崖に繋がっている。 たどり着くと、ようやく降ろしてもらった。 アウディは見惚れるような表情で、真っ直ぐ見つめてきた。 「本当に君は美しいな。他のどの女性よりも。」 ボクの右耳にかかる髪と右目にそっと手を触れて、右頬に手を滑らせる。 ボクは戸惑い、目を逸らす。 「ボク…女の子じゃないよ。それとも、アウディにとってボクは女の子なの?」 「フフ…。何を気にしているんだい?君は君じゃないか。」 「じゃあ、どうして女の子の服を着せるの?」 「それは…。」 アウディは頬を赤らめながら、恥ずかしそうにボクから目を逸らす。 「僕の、趣味…みたいなもの、なんだ。君にこんな恰好させたら、きっと胸がドキドキするだろうと思ってね。今、現に胸が熱いんだ。信じられるかい?」 そう言い、ボクを両腕で抱き寄せる。 「何度でも言うよ。君は誰よりも美しい。綺麗で、純粋で…。」 さっきよりも強く抱きしめながら、ボクの耳元で籠るような声で言い、ボクの心がだんだんかき乱されていくような感じがした。 「あ、アウディ…?」 彼の顔を見ると、その熱い眼差しには、ボクを真っ直ぐ捕えていた。 それは彼が時々、ボクを強く求める時に見せる肉食動物のような眼差し。
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