ボクとご主人様①

7/17
前へ
/38ページ
次へ
それからというものアウディは作業部屋にこもってしまった。 その部屋は縫栽をする部屋で、よくボクの服を作ってくれていた。 (ボク、服が欲しいなんて言ってないけどなあ…。) 疑問を抱きながらも、部屋には小道具や針なんかがあって危ないからと、あまり作業部屋へ 入る事を許されなかった為、ボクは見守る事しかできなかった。 それから3日後。 「君、起きて。朝だよ、渡したいものがあるんだ!」 いつも二人で寝ている布団で眠っていると、アウディの声に起こされた。 眠い目を起こして辺りを見ると、そこにはいつもより嬉しそうな目をしたアウディがいた。 まだカーテンは閉め切っているが、時間帯は朝だと漏れた日光から伺える。 「アウディ…いきなりどうしたの?」 「君の為に服を作ったんだ。君に着てほしくて。」 そう言うなり箱の中に入った服をボクに差し出した。 「プレゼントなら、この間素敵な指輪をもらったばかりだよ?」 ボクは左手の薬指に嵌められた指輪を見せた。 あの時からお風呂の時以外、ずっと手放さずに指輪を付けていた。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

148人が本棚に入れています
本棚に追加