黒い女

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黒い女

 母さんにからかわれる2日前、俺はある女の子を目撃する。 ◇◆◇  高校生活最後の夏休みは受験勉強漬けの日々で、その日も2階の自分の部屋で勉強に勤しんでいた。  掛け時計に目をやる。 (もう2時か。そろそろ寝るとするかな)  その時だった。 ガチャンっ!  お隣に住むおばあちゃんの家の玄関が勢いよく閉まる音が聞こえてきたのだ。 (なんだなんだ? こんな時間に)  部屋のカーテンをこっそり開け、お隣の玄関を見下ろす。 (ん? 誰かいるぞ? おばあちゃんかな……)  その人影は、玄関のカギを施錠したあと、俺の家の前を通り過ぎようとした。その時、街灯の明かりに照らされ、一瞬だけ全身が見えた。 (お……女?)  というか女の子だったような気がする。 (あ、夏休みで孫が泊まりに来てるんだなきっと)  納得した俺はそのまま眠りについた。       
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