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急
しばらく、青男と話をした。
青男との会話の中で、どうやら青男は本当に俺を心配していただけだと理解できた。
警戒心はすっかりと解けている。
むしろ青男の丁寧で気さくな話振りに、俺は少し心を許し始めている。
「お仕事で悩んでらっしゃったんですね」
「ええ。お恥ずかしい」
「いやいや、どんなお仕事も大変ですから、……人間、仕事をしている以上、悩みは尽きません。僕もそうです。でも、大丈夫。止まない雨はありませんからね」
ニッコリと青男が言う。
温かい言葉だ。
でも、それ以上に、
「……青男さん。……人間なんですか?」
そっちが気になって仕方ない。
百歩譲って人間だとして、
「……ご出身は地球ですか……?」
である。
「何のギャグですか?」
青男はハハハと笑う。
それはこっちのセリフだと、俺は思った。
こうなったら単刀直入に聞くしかない。
「アナタは何者ですか?」
俺は問う。
「ハハハ。……見て解りませんか?」
「解りませんッ」
コンマ一秒で俺は即応した。
「解らない? 冗談でしょう」
だからそれはこっちのセリフだ。
「ほらほら、この透き通るような青い肌」
そのせいで解らないんですよ。
「わかりませんよ」
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