第3話

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「…此処か」 地図にバツ印がある場所に到着した俺は、目の前の森を見る。 「また森の中に入るのかよ…やれやれ」 森に入って急に昼間から夜になるかのように暗くなり、正直言って道に迷いそうになる。 「……フム…」 どうやら、五感も良くなってるみたいだ。 正確には判らないけど、誰かに見られている。 「……」 しばらく様子を見よう。 向こうも様子を窺ってるみたいだし。 俺は気付かないフリをしつつ、奥へと進んだ。 そして、一軒の一戸建てを見付けた。 「ここが黒魔女の家か…?」 窓には明かりが映り込み、中の様子は判らない。 取り敢えず…。 「挨拶をしてみるか」 家のドアに近付き、ノックをしようとした直後、背後から「どなたですか?」と声が聞こえたから振り返った。 「…?」 「そこは黒魔女ヒルダの自宅。勇者軍の方ですか?」 右足がチラリと見えるスリットの入った紫色のローブと、年季が入ったとんがり帽子、そして、その下から見えた茶髪のロングヘアの美女。 しかも、右目に一眼メガネを着けていた。 「ちげーよ。あんなクソ野郎と一緒にスンナ。俺はその人を訪ねに来たんだ。アンタがそのヒルダって人か?」 「…取り敢えず、中にどうぞ」 .
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