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第一章
青い海。
潮の香り。
波の音。
間宮麻衣は砂浜に座り、ぼんやりと海を眺めていた。
時より海水が足にあたっても、海を眺める視線は変わらなかった。
ただ一点だけをひたすら眺めていた。
青空を二羽の鳥が仲良くさえずりながら、気持ち良さそうに飛んでいく。
砂浜には麻衣以外、誰もいなかった。
白い砂浜に波が打ち寄せ、様々な色の貝殻を運んでくる。
その貝殻に紛れて、青色の石が麻衣の足元に転がってきた。
青い石は麻衣の足に当たると、急に光を放って麻衣の体を包み込んだ。
それでも麻衣は体をピクリとも動かすことなく、一点を見つめたままだった。
光は次第に温度を上げ、40℃を超えた所で麻衣はその場に倒れ込んだ。
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