流星の夜明け──レオ

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砂漠の夜は寒い。 これから、夜明けまでは気を抜けない。 もちろん昼間だって気を抜くことはできないけれど。 「《アサド、頭を引っ込めろ。蜂の巣どころか吹っ飛ばされるぞ》」 「《そうだね。向こうは武器も資源も食料も豊富みたいだね。長期戦は僕達には不利だ》」 「《何とか奴らをここで足止めできないだろうか?ここを突破されたら、村が激戦区になる…!それだけは避けないと》」 「《砂……砂鉄…これらを使ってどうにかできないかな?粉塵爆発とか》」 「《無理だな。金属粉や小麦粉、砂糖なら起こせるが、小麦粉も砂糖もみんなの大切な食料だ。兵器に使うワケにはいかない》」 「《分かってる。手持ちの武器で何とか乗り切るしかないね。砂がある分、相手も迂闊に攻め込めないだろうけど、防塵されたら終わりだ》」 夜の砂漠を照らす月さえも冷たく見える。 この寒さで下手に動けば凍死する。 砂漠に慣れてはいても、防寒して足元に気を付けないといけない。 砂に潜むサソリがいたりして危険極まりないし、そもそも歩いて砂漠越えは難しい。 僕達は砂漠を越えるのには、ラクダを使うか、高額だけど、サンドバギーを使うかしかない。
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