流星の夜明け──レオ

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祈っていても、戦いは終わらない。 祈っても激しさを増すだけなら、僕達が武器を手にして、自分達で守るしかないじゃないか。 人を傷つけたり殺すことはいけないことだと思っていたけど、そうしないと守れないことがあるって知った。 向こうは僕らを躊躇いなく殺せるのだから。 「《アサド、ジェイがきたぞ》」 「《ジェイ、久しぶりだね!》」 「《久しぶり。取りあえず素人でも扱える武器を持ってきた。砂漠でも威力を損わない地雷と防塵加工をした銃、もし乱戦が接近戦なら素早く切り裂けるカットラス。このカットラスは刀鍛冶が作ったって評判だな》」 「《カタナカジ?不思議な名前だね、初めて聞いたよ》」 「《刀鍛冶は職業な。私の知り合いに刀鍛冶職人がいて、資材と大金を積んで何度も頼み込んで作ってもらった。大切に使ってくれよ?私の金をドブに捨てないでほしいからね》」 「《よくこれだけ武器を持ち込めたね。普通は軍とか反勢力に拘束されそうだけど…》」 よく外国人が護身用の銃を持っていても、下手をすれば殺される話は聞いている。 僕達だって捕まれば、その翌日には射殺か斬首されて命を落とす。 だからジェイの支援はありがたかった。
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