流星の夜明け──レオ

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「《私は"死の武器商人"らしいから、死にはしないさ。実を言えば、金と珍しい嗜好品で抱き込むのさ。ご所望とあれば、薬物だって売って差し上げましょうってね♪》」 「《怖いな。さすが死の武器商人》」 「《一応、今回は戦場カメラマンという肩書きで入国しているから、外国人の退去命令が出れば、私はしばらく物資の支援はできないから、これがラストチャンスと思ってほしいね。悪いけど、私も命は大切なんでね、これで失礼するよ》」 「《ありがとう》」 ジェイの支援で、みんなの表情にも少し余裕が見えるようになった。 物資の乏しい僕達には何であれ支援は嬉しい。 しかもジェイは僕達からは絶対にお金を取らない。 本人は交易ルートを見つけて、その抜け道で闇交易で禁制の品を売り買いして、別の闇ルートに売り付けると笑っていた。 もちろん普通の交易もしながら、骨董の目利きもできるらしくて、真贋は一目で分かるとよく分からない人だ。 悪い人じゃないのは分かる。 子供や老人、女性、動物に優しくて、一度は保護区の猛獣も大きな猫でもあやすかのように、普通に撫でていたって話だし。 猛獣は人間より怖いんだけどな…。
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