流星の夜明け──レオ

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「《アサド、何をやっているんだ!?早く離れるんだ!》」 「《ジェイ…?でも、家の中に…!》」 「《現実を見なさい。他の村も同じ状態なんだ。言いにくいが、キミの恋人も亡くなっていたよ…詳細は伏せさせてくれ》」 「《リラクまで…。僕の子供も…》」 全部なくしてしまう為に戦ったんじゃない! 僕は守る為に武器を手に取ったんだ!! 「《アサド、外国人の退去命令が出た。キミは私と一緒にイギリスに行くことになった》」 「《何言って…》」 「《事前にまとめ役のムラクには話をしていた。キミは私達欧米人と同じ白人系だから、難なく国外へ行ける。アサド、まだ生きて生き抜くんだ。亡命して生き抜くんだ、いいね》」 何で僕がそんなことをしなければいけないのか。 他のみんなと残って最後まで戦うことが正しいことではないのか。 「《最後まで戦うことは無理だ。私の支援物資があっても、戦局は好転しなかったうえに、この焼きうちが決定打になった。もう士気向上は無理だ》」 「《僕だけ逃げるなんて…卑怯だ…》」 「《戦争に正々堂々なんて通じるのかい?卑怯であることが美徳で賢いとされる。そんなに正々堂々がいいなら、ここで死んでしまえばいい》」
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