流星の夜明け──レオ

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たくさんの人を幸せにする職業…僕が欲しかった平和な世界、みんなが笑える世界、それを僕ができると言うんだろうか? 「素敵で高尚な職業ですが、ワタシには荷が重いような気がする…」 「高尚…ですか。そこまではないと思いますけど、あなたはアイドルになるべきです!もしかして観光旅行で日本にきたとか…?」 「いえ…日本で就職したいと思っていて、ただまだ何も決まってはいないんですけど…」 さすがに亡命とは言えなかった。 平和そうな国だし、亡命だなんて知られたら、色んな人を巻き込んでしまうかもしれない。 ジェイの努力も無駄になってしまう。 結局、押し切られて、美味しい特典をチラつかされ、僕は日本でアイドルのレオ・エリスとして活動することになった。 華やかで眩しいけど、裏側は醜い部分が見える世界は、僕を嫌な人間に染めようとしているような気がしていたけど、みんながいてくれたことと鍵をかけたけど忘れられなかった思い出が支えてくれて、僕が望む世界を少しでも目に見えるようにしようと思った。 人はそれぞれに考えがあるし、みんなが違う考えをしているのは当たり前だけど、それでも分かり合えるんだと僕は知っている。
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