声を忘れた天使──リョージ

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踏み出す足にぐっと力を入れる。 この一歩が僕にとって、本当の最初の一歩だ…! 「リョージ偉いね…」 「そうかな?普通だと思っ…あっ、ごめんね電話だ。ちょっと部屋に戻るね」 ディスプレイに表示された名前に急いで部屋に戻って電話に出る。 「もしもし?」 『陵治、何で事務所の社長が渚 天馬だって教えてくれなかったのよ!』 「あの時そんな雰囲気じゃ…」 『後で連絡してもいいでしょ!?サインと写真を必ず今週中に送ってね♪』 「サインはともかく、写真は無理だよ!社長だって忙しいんだよ!」 『天馬様のサインと写真が欲しい!!欲し~い~!』 「……一応掛け合ってみるけど、期待はしないでね…」 『さすが私の弟♪天馬様の件、よろしく♪』 翌日、社長に掛け合ってみると、サインも写真も快諾してくれて、写真にまでサインをしてくれた。 一応お姉さんに送ったけど、感謝のメールは狂喜乱舞しながら打ったんだろうなと思えるほど、誤字脱字がひどかった…。 それでも今は楽しい毎日で、ファンのみんなの笑顔をたくさん見られるようになった。 これからも僕達はまだまだ光と夢をみんなにお届けします!
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