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第2章 少年のココロ
少年はただ歩いていた。
悲しみに、心に痛みを感じていた。
「どうして…」 少年は呟く。
見た目は泥まみれ、頬は赤く腫れていた。
しかしそんな事は少年にはどうでもよかった。
ただただ胸が痛い。こんな思いをするならいっその事…
「やぁ、どうしたんだ?キミ。」
若い様なのに、無精髭を生やし、猫背で老けたような姿の青年がいた。
「ちょ、おっと!ちょっっと待って!!」
少年が防犯ブザーを手にかけると青年は焦った。
「僕はね、君に危険を加えに来た訳じゃない。君を救いに来たんだ。少しでもね?」
「救いに…?」
少年は首を傾げた。“何も異常がない”のに自分を救うとは、どういう事なのか。
「おいおい、子供がそんな暗い顔をして酷い身なりをしていたら心配するのは当然だろう?いじめにあったのか、とかさ。」
「いじめ…」
確かに、自分はいじめにあっていた。
前のクラスではこうした事は無かったのだが、新しいクラスで自分は浮いてしまったらしい。
しかし、それよりも…
「君のその頬、どうしたんだい?」
これは家に帰って母に叩かれたものだった。
「もっと強くなりなさい」「しっかりしなさい」「どうして何も出来ないでいるの!!」
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