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角から仲間と思しき男が二人飛び出してきた。目くばせ一つなく俺とアイスマンは背中合わせにそれぞれの担当と向き合った。こちらに駆け寄ってくる男の呼吸に合わせて軽く上体を反らせた。電灯を背負っているのでそれで距離感を誤魔化せる。
そして相手の踏み込みに合わせて半身を入れ替えて踏み込んだ。運足と同時に脱力させた左を相手の鼻先へと叩き込む。反射的に目を瞑った相手の動きが一瞬停止する。その隙に右の大砲を叩き込めば男は地べたにひっくり返って動かなくなった。
振り返るとアイスマンも相手を畳んだようだった。あとはいつもの作業だ。男たちの懐をまさぐってクスリを彼らの上に散らかして、彼らの持っている飛ばしのケータイで110番通報。アイスマンは根っこに近づくために彼らの端末を抜き盗り後は警察の来る前に流れ解散。いつものことだった。
一応、事の顛末を探るために明け方まで周辺をうろついて、家に帰って雨どいをよじ登って床に就く。それが最近の俺の日常だった。
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