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元の顔が近づく。
何が起こるかきっと俺はわかっていた。
でも拒む気持ちが湧かない。
静かに元の唇が重なった。
俺はそのまま動かない。
次第に元に強く吸われ
舌で口を開かされて口淫をなぶられる。
だんだん自分もその愛撫に応えたくなる。
元は更に舌を絡め 唇をやわやわと噛み
また深く口づける。
俺の髪をかき混ぜ
指先を顎から喉へ這わせる。
そっと元が俺の顔を離す。
「なんで?」
俺を覗き込み真剣な声音で聞いてくる。
なんで受け入れたんだと聞いている。
「・・わかんない」
「わかってないのにいいんですか?」
「・・・・」
本当にわからない。
自分の中に起きた変化や感情が説明出来ない。
逆になんで元はこんな事をしたのだろう。
混乱する景はそれでも
ただ今は元と一緒にいたい
素直にすっとそう思い
自分から元に抱きついた。
元がそっと俺の背中を撫でる。
ゆっくり目を閉じて息を吸い込むと
甘く香る元の匂いがした。
ただ元に包まれていたかった。
また口づけられる。
もう何も考えられない。
ただ強く強く元を抱きしめた。
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