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朝ふと目を覚まし横を見ると
くっつくように元が寝ていた。
前髪がハラリと落ち 普段より幼く見える。
昨日初めて元を受け入れた時
身体はもとより心が満たされた気がした。
正直昨日の万里子との話は かなりの破壊力で
景を打ちのめした。
疑惑でしかなかったものが
まるで真実のように型どられ
でも結局何もわからない。
虚しさだけが景を覆う。
ただ 景には元が居る。
昔はいつも1人で耐え1人で苦しみ
それでいて結局何もわからない現実に
耐えきれなくなる時もあった。
孤独で その孤独から眼を背け
何も感じない人間になろうとしていた。
が、今は違う。苦しむ景を抱きしめ
一緒に苦しんでくれる元が居る。
いや。 前からきっと一緒に居てくれた。
景が元を受け入れなかっただけだ。
ありがとう。諦めないでいてくれて。
景はそっと元のおでこに口づける。
眉をひそめ んーと呻き ゆっくり元は
目を開けて景に焦点を合わせると
クシャっと笑った。
何も言わず景を引き寄せ抱きしめる。
景の耳たぶを噛み 首筋に口づける。
背中をさわさわさすり
その手がゆっくりゆっくり景の尻の方へ。。
「・・・っイテっ」
景が元の肩に噛みついた。
つまらなそうに手を止め
恨みがましく景を見ると
またぎゅっと抱きしめる。
「・・ちょっとくらいいいじゃないですか。
触らせてくれても」
「ダーメ。朝からサカんなよ」
ちぇっと元は舌打ちし じゃあキスくらいは
いいでしょ と景の唇を甘噛みした。
景は少し拗ねている恋人が可愛くなり
しょうがねーなーと 元のために口を開いた。
舌を差し入れ絡め合い唇を吸い
名残惜しそうに唇を離した元は
灰色の瞳をすっと細め
景の眼を覗き込む。
「大丈夫ですか?」
色んな意味があるのだろう。身体も心も
大丈夫かと聞いている。
コクリと頷き 景は腕を伸ばし
後頭部を引き寄せ 自分から口づけた。
朝日がカーテンの隙間から入り
部屋に一本の光の筋を作っていた。
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