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「どんだけ心配したと思ってんですか!
いくら待っても元さんからも
連絡ないし、あちこち電話して聞いても
誰も知らないし!」
俺と元は 廊下で立たされた小学生のように
ケンに怒られていた。
「・・・すいません。。」
「ごめんなさい」
二人で頭を下げる。
「高嶺さんが景さんのマンション
灯ついてるから多分大丈夫だって
電話くれたからいいけど
ホント二人ともいい大人なんだから
ちゃんと連絡くらいして下さい!!」
「はい。。」
「すいません。。」
また二人で頭を下げる。
そんな二人を見て はーっとケンはため息を
つき、 で?と俺に報告を促した。
写真をケンに渡す。
「・・これが遠藤ですね?」
しばらく写真を見たケンは顔を上げ
「これ 俺が預かります。
ちょっとあたってみますよ。 顔がわかれば
もしかしたらなんか出てくるかもしれない」
と言い 写真を胸ポケットに閉まった。
「うん。よろしくお願いします。」
俺が頭を下げると ケンはいつもの
懐っこい笑顔で了解と言った。
仕事に向かう元と店を出る。
龍が車の前で待っていた。
この間店の目の前に止めていて景から
文句を言われた龍は店より少し先の
路肩に車を止めている。
「じゃあ行ってくる。例の消印のとこは
俺も行きますから 絶対勝手に行動しないで
下さいね」
元はまた心配そうにそう言って
俺の頬を撫でた。
わかったと頷き 頬を撫でている手を
そっと掴む。
クシャリと顔をしかめた元は
景の手を握り返し
「行きたくねぇな。。」と呟いた。
景は笑って元の背中を押す。
黙って いつものクールな表情に戻った元は
スッと景を見て踵を返し 車に乗り込むと
龍はペコリと頭を下げ運転席へと乗り込み
車は去っていった。
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