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今でも忘れはしない。小学生の頃、空が青く、太陽の光に反射してきらきらとしていた海が、輝いていた頃。僕は、いじめられていた。幼い頃から内気な性格の僕は、先生にも家族にも友達にも、誰にもその事について相談出来なかったので、いじめの対象として最適だったのだろう。
「おぉい!ちゃんとやってきたかよ!宿題!」
「う、うん、やってきたよ。は、はい」
「お!センキュー!あ、そういえばさ、俺、今小遣い無いんだよなぁ。金、貸してくれるよな?な?」
「う、うん、千円でいいかな……」
僕は、何も反抗できず、ただ、ただ、黙って言うことを聞いているだけであった。反抗しても無駄なことを知っていたから。敵わないことを知っていたから。
ある日、僕の机は、満遍なく悪口の書かれた木の板になっていた。死ね、消えろ、学校来るな、きもい、しね、かす、くず、ごみ。
椅子には、針が上向きの画鋲がたくさん置いてあった。
「ちゃんと、座れよぉー」
誰かがそういうと、クラス全員、くすくすと笑い始める。
またある日、玄関に上靴がないと思ったら、学校の共同ゴミ捨て場の中に混ざっていた。
上靴を持って、教室へ行くと、もちろん軽蔑される。だって、ゴミ捨て場にあったのだから。
「なんで、ゴミ持ってるの?あ、お前がゴミだから仕方ないよね」
またクラスで、笑いが起こる。
またまたある日、僕の体操着は、ぼろぼろに破れ、悪口とともに黒板に貼られていた。母さんが一生懸命に選択してくれて白を保っていた体操着は、マジックペンと、泥のようなもので黒く汚れている。僕はその体操着を家に帰って捨てた。
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