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それで、先生は?
件名や本文を書く余裕もなく、撮った画像を急いで送らねばならなかったとすると。
何があったのか。いったい先生は今どうしていらっしゃるのだろう。
不安で胃が冷たく重くなった。
白峰先生ご無事ですかと返信を打とうとして……いや、待て、これが果たして先生からのメールなのか、確信が持てない。向こう側で、先生の携帯電話は、誰が手にしているのか。ひょっとすると今頃はもう先生は……
黒い怯えが吐き気となって喉へ込みあげてくる。
私は背後の書棚やドアをそっとうかがいみた。
自分の部屋にいても安心できない。
三十年も前の影をいまだにひきずっている、いや、そんななまやさしい妄想ではなく、これは実害のあるおぞましい現実だ。
影は三十年かけてこちら側を侵食し、とうとう先生をひきずりこみ、闇に呑み込んでしまったのではなかろうか……
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