国の外へ

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国の外へ

遂にやってきた出発の日。機械を起動させ、必要な物を乗せているか確認。操縦席は複座式に変更し、前に自分が、後ろにリアンが乗る。リアンの後ろにはコンテナとの接続口が付いている。倉庫の入り口を全開にし、ゆっくりと出して行く。 倉庫から出したら、大通りを走って行く。周りには、自分たち同様国から出て行く人達の様々な形の大型機械が走っている。右腕だけ付いていて、もう片方は大型の機関銃だったり、無限軌道に箱をくっつけただけだったりする。そんな、種類が個人の趣味みたいな機械ばかりだ。五分程度走ると門が見えてくる。出る時は、顔写真を数枚撮られるだけで出ることが出来る。 巨大な門が視界に入ってきた。すでに、全開になっている。門の少し手前で、一旦止めて降りる必要がある。機体のチェックと年齢の確認がある為だ。基本的に、動力源と、積荷、武装があれば武装も聞かれる。 「機体の動力は?」 「魔導核です。四つ搭載してます。」 「四つね。ふむ...問題は無いが、その...二人の年齢は大丈夫だよね?」やはり、年齢は聞かれた。しかし、こういう時に役立つものがあるのだ。それは... 「第五許可証明証です。」 「...ッ!か、確認してきますっ!」 許可証明証、それは先祖が将来的に子孫を国から出そうと考えている場合、家族三名以上の同意のもと、出されるものだ。これは、今現在使うような家族はいないので、三年前に廃止となった。しかし、もし取っている家族が出てきた場合のみ、特別に認可されることもあるのだ。この書類を出せば、年齢は関係なくなる。今回提出した書類は、書類タイプ5と呼ばれるもので、少しいいやつだ。数字が大きくなると効力が大きく変わって行く。 「お待たせしました!確認しました。出国可能です!ですが、そちらの子は年齢確認をしなければいけないそうで...」自分は許可が出たがリアンは降りなかったようだ。 「お嬢ちゃん、歳はいくつだい?」 「...背小さいけど...13だよ?」同年代だった。初めて知った。 「なら大丈夫だね。二人とも、気を付けて行ってらっしゃい!」 操縦席に再び乗り込む。出国するにあたって、この機体に名称と番号を付ける必要があった。登録番号は、『S/R-001』。名称は、『鋼鉄丸』。色々突っ込まれたが、考えてたのが全てかぶっていたのだ。 そして、ゆっくりと門の外へと出る。完全に出きっても、赤色の旗を越えるまでは、出力は、30%以下にしないとダメだそうだ。 「赤色の旗を目視で確認。出力を全開にします。」門の人に通信を入れる。 「了解しました。許可を出します。」 遂に始まるのだ。大冒険が!
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