始まり

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始まり

この世界はかつて、圧倒的な技術をすべての国が保有していた。しかし、その技術でほとんどの国が滅んでしまった。今では、大型兵器一体完成させることでさえ、国の一大事業に含まれていた。 この国の地下には、鉄くずの処理場がある。俺の家は偶然にもその軌道上にある。そこには稀に昔の大型兵器が流れてくることがある。その時、全員が地下に潜りエネルギー源や犯罪を起こすための道具を探しに行く。今日は運良く兵器三台分の量が流れて来ていた。俺は、その中にあるであろう動力源のコアを求めていた。三台分あるのだから、流石に見つけることができるだろうと考えていた。 大型兵器のコクピットハッチから入り込み、錆びついて穴の空いた部分から下へと潜って行った。そこにお目当ての物がある。今回は本当に運が良かったみたいだ。この兵器は動力源を4つ搭載している珍しいタイプだった。手早く外して行く。外側に用事は無く、内側にある魔導核と呼ばれるエネルギー源に用があるのだ。魔導核を外し、鞄に入れたら今回の用事は終わりだ。外してふと振り返って見て唖然とした。そこには、なぜか、手に入ればいいなぁ程度に考えていた、投影装置があったのだ。投影装置とは、機体の制御をするために使う装置だ。自分の眼に直接風景を写し、戦闘状況を確認しやすくできる。カスタムすれば、もっと使い勝手が良くなるらしい。そして、唖然としたのはもう一つの発見だった。少女がいた。...少女がいた。何故?これは今から溶かされる物ですね。はい。じゃあ何故少女が倒れているのか?謎が謎呼ぶ何とかかんとか。 意識はあるみたいだった。生きている。自分の筋力でも持てそうな体重だ。ここに放置すれば、無残に死ぬ。担いで家まで帰ることにした。帰ろうとした時だった。処理場の警報が聞こえて来た。まずい。急がねば。 少女を助けて全力で走って逃げた。家にたどり着き、寝床へと少女を置いて改めて見る。自分よりも少し年下な感じのする少女だった。とりあえず、獲ってきた物を組みこもうと思い、倉庫へと行く。そこにあるのは、ずっと前の世代から造られてきたという大型兵器風の移動用機械がある。ようやく先代で外側が完成し、あとは操縦席を完成させればいいだけになっていた。投影装置を操縦席の全面に装着し、魔導核を座席の後ろにある円形の穴に、はめ込む。あとは、動力エネルギーを入れたらいつでも動かすことができる。 少女はあの日から1週間後に目覚めた。 「ここどこ?」少女は、当然戸惑っていた。 自分のことや、ここがどういうところなのか、どこで少女を見つけたのかを教える。 少女は少し考えた後、こう言った。 「じゃあ今日からよろしく!」 これが、自分...ソハンと少女...リアンの旅の始まりだった。
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