第12章 帰国、そして新たな事件

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その時、突然通信が入った。 「エンジェルリーダ。横田CCPだ。聞こえるか?」 横田CCPからの緊急通信だった。 「はい、横田CCP、エンジェルリーダです。聞こえます」 真理が応えた。 「先ほど、ロサンゼルス発ソウル行きの大韓航空18便が函館の南でハイジャックに遭った。既に千歳にスクランブルの指示をしたが、またデビルジュエリーに関するものの可能性がある。米国からの帰国フライトで申し訳無いが、フォローをお願い出来ないか?」 「えっ?」遥はびっくりした。 またハイジャック・・余りにも数が多すぎる・・ 「CCP承知した。レーダリンクのコードを送って下さい。それでKE18に追いつきます」 「了解した」 遥の操縦する機体は米国籍なので航空自衛隊のリンクコードを持っていない。送られたコードを入力するとレーダリンクで飛行方向が指示された。 「遥、長距離フライトで疲れている所、申し訳ない。少し、遠回りをするぞ。I have」 「真理さん、了解です。You have」 10分程のフライトで機体は青森県を通過し、日本海に出た。 前方下方に、飛行機雲が見えて来た。雲の筋は4つ。あの機体は・・ 「エアバスA380だな。乗客は500人くらいか・・」 旅客機の後方に戦闘機らしき機体が2機エスコートしているのが見える。 (あれが千歳から上がったスクランブル機か・・) 遥は思った。 真理は6万フィート、マッハ1.5から、エンジンをアイドルに絞った。 そしてエアスポイラーを展開し、A380の経路への降下を始めた。
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