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私は、機長の方を一瞥して答えた。
「機長は、現在、操縦できる状態ではありません。私が、操縦しています」
「なっ?!」 無線の向こうで、大川ダイレクターの叫びが聞こえた。
でも、悩んでいても仕方が無い。燃料はあと15分だ。着陸のトライは多分1回しか出来ない。
右エンジンのみで胴体着陸を17歳の女子パイロットが行うのは前代未聞だろう・・
「でもやるしかない・・」
「北九州タワー、FE264便です。ギアダウンを断念し、胴体着陸をします。非常用装備の準備をお願いします」
「了解です。少し時間を頂けますか?」
「もう燃料がありませんので、今から待機旋回を離れます。着陸は10分後くらいと思います」
「了解です。至急、準備します」
客室を呼び出す。
「はい、L1竹本です」
「高橋です。結局、ギアの故障の修理が出来なかったので、北九州空港には胴体着陸をします。着陸まであと10分です。客室乗務員は、お客様の緊急着陸のサポートをお願いします」
「胴体着陸ですか・・。判りました。客室の事は任せてください。L1了解です」
そのまま、客室にアナウンスを流す
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