第1章 787 コクピット (遥の視点)

3/15
238人が本棚に入れています
本棚に追加
/444ページ
「FE264便、先ほど5分前に山口県沖の領空内に突如国籍不明機が現れた。その機体は急上昇をして貴機の前を横切り、現在4万1千フィートを方位280度に飛行中だ」 「えっ?」  「先ほど築城基地から2機のF35がスクランブルで上がった。マッハ1.8で飛んでいるから、あと1分でそちらに追いつく。国籍不明機の目的が判らない。注意してくれ」 「了解しました、こちらは降下中ですが、その機体は前方に見えています。引き続き監視します」 「直ぐに、F35の編隊長からコンタクトがある。少し待ってくれ」 「了解しました」 その時、前方の国籍不明機とほぼ同じ高度を追いかける1機の戦闘機が見えた。直ぐに“ドン、ドン”という音が聞こえ機体が揺れる。F35が超音速で飛ぶ衝撃波だ。 (あれ? 司令室からは2機上がったと言ってたけど) 不意に無線に声が聞こえた。女性の声だ。 「FE264便、こちらはエンジェル2。エンジェルリーダーがアンノンの追尾中ですが、エンジェル2は貴機の左で援護に入ります」 機長とともに、左の窓から外を見ると、左に青色の戦闘機が同高度で浮かんでいる。コックピットのパイロットが敬礼した。 「了解です、援護感謝します」 その戦闘機は、左前方に遷移し、そこで相対速度をあわせてくれた。     
/444ページ

最初のコメントを投稿しよう!