第1章 787 コクピット (遥の視点)

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「L2加藤から、左エンジンから火が出ていたと報告がありました。また、左の燃料が漏れているようです」 「ありがとう。コックピットでも把握しています。何とか無事に着陸させますから、客室のフォローはお願いします」 さて、どうするか・・・ そう考えている所で、国際緊急周波数側の無線が入った 「こちらエンジェルリーダ、FE264便、聞こえますか?」 女性の声だ。あの編隊長も女性・・ 「はい、聞こえます。エンジェル2は大丈夫ですか?」 少しの沈黙の後、彼女が答えた。 「撃墜されました。残念ですが、緊急脱出は確認できていません。領空侵犯機は私が撃墜しました。もう脅威は無くなりました。そちらは大丈夫ですか?」 私も、少し考えて答えた。 「コックピットに何かが飛び込み、与圧ができていません。機長は多分、死亡しました。左エンジンが疾患、燃料漏れ。油圧喪失、ぼろぼろです」 「こちらは、現在、貴機の後ろから損傷を見ています。左エンジン、左翼、左のウィングボックスに損傷が見えます。あとコックピット上部に傷が見えます。その他は大きな損傷は無いようです」 「了解です、ありがとう」 「現在、貴機は北九州市若松区上空です。予定通り、福岡空港に向かうならエスコートします」 私は、少し考えて答えた。     
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