3人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
全く気づけなかった。今まで席も隣でずっと話もしていたのに、彼女への嫉妬故にこんな酷い仕打ちを受けていたなんて...
いや...違う...
僕は気づけなかったんじゃなく、気づこうともしていなかった。
今までずっと僕が一方的に自慢話をしていただけで、なにも小森さんの話を聞いていなかった...
僕が起こした原因なのに、僕は一切小森さんを守れていなかった。
僕は人生で初めて僕が嫌いになった。
僕は悔しさ、怒り故にその紙を強く握りしめ教室を飛び出した。
ひとけのない校舎にボロボロの小森さんは倒れていた。
「こ、小森さん!」
僕が大声をあげたので、小森さんを囲む女子3人がこちらを振り向いた。
その中の一人を見て、僕はひどく悲しくなった。
「や、山野さん...なにをしているんだい...?」
「ち、違うの!東堂くんちがうよ?これはこいつが原因で...」
「言い訳なんか聞きたくない!」
僕は小森さんの元まで走ってその場でしゃがみ込んだ。
「小森さん!小森さん!」
小森さんの顔は殴られたようでアザだらけになっている。
僕はそれを見て人生で初めてこんなにも怒りを覚えた。
「山野さん...もう僕は君の顔も見たくない、ここから離れろ...」
最初のコメントを投稿しよう!