小森さん

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全く気づけなかった。今まで席も隣でずっと話もしていたのに、彼女への嫉妬故にこんな酷い仕打ちを受けていたなんて... いや...違う... 僕は気づけなかったんじゃなく、気づこうともしていなかった。 今までずっと僕が一方的に自慢話をしていただけで、なにも小森さんの話を聞いていなかった... 僕が起こした原因なのに、僕は一切小森さんを守れていなかった。 僕は人生で初めて僕が嫌いになった。 僕は悔しさ、怒り故にその紙を強く握りしめ教室を飛び出した。 ひとけのない校舎にボロボロの小森さんは倒れていた。 「こ、小森さん!」 僕が大声をあげたので、小森さんを囲む女子3人がこちらを振り向いた。 その中の一人を見て、僕はひどく悲しくなった。 「や、山野さん...なにをしているんだい...?」 「ち、違うの!東堂くんちがうよ?これはこいつが原因で...」 「言い訳なんか聞きたくない!」 僕は小森さんの元まで走ってその場でしゃがみ込んだ。 「小森さん!小森さん!」 小森さんの顔は殴られたようでアザだらけになっている。 僕はそれを見て人生で初めてこんなにも怒りを覚えた。 「山野さん...もう僕は君の顔も見たくない、ここから離れろ...」     
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