206人が本棚に入れています
本棚に追加
良哉は心外だといわんばかりに首をひねる。
「べつにおれはどの競技でもよかった。残りものの競技がそれだったってだけだ」
良哉の言葉に、うんうんと真弓は納得しているのか、口にしていたプチトマトを食べきってから口を開いた。
「どっちにしてもすごいよ。一年のときもそうだったけど、今年も運動会で一気に有名人て感じ。うちのブロック、一年の女子がすごい騒いでたよ」
「あ、それ、わたしのブロックもそう」
そう云った実那都に目を向けた真弓は、なぜか顔をしかめている。
「実那都、他人事すぎ」
「え?」
「目立ったってことじゃあ、日高くんより藍岬くんのほうがそうなんだから。騎馬戦であんだけ倒すってそうないよ。大将落としのとき、最後、藍岬くん独りで守ってたし、大将より目立ってたかも。しかも、ねぇ……」
最初のコメントを投稿しよう!