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「へぇ、ドラムってそうなんだ。日高くん、ピアノってどうなの?」
「ピアノ弾くために全身の筋トレってはやらないな。手とか指トレはするけど」
「ただ音出すってだけならわざわざやることでもねぇ」
「でも、藍岬くんと日高くんは、ただ音出すだけじゃないんだ」
「ったりめぇだ」
「ジムとか通ってるの?」
「たまにな。ほとんどは自分でやる」
「すごーい。日高くんは指トレってどうやるの?」
真弓の発言が気にかかり、三人で進んでいく会話を実那都はうわの空で聞いていた。
制服でも私服でも、航は細身に見える。
けれど、中学三年で同じクラスになって水泳の時間に見た姿に、頼りないような細さは感じなかった。
けんかをするほどだ、ほかの男子よりはがっちりして見えた。
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