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「実那都、どうしたんだよ」
ふいに航が実那都に注意を向け、実那都はハッとして航を見やる。
その慌てぶりに航が怪訝そうにする。
「な、なんでもない。昼からのほうがもっと暑くなりそうって思ってただけ」
勘ぐられないようにごまかしたけれど――
自分でもなぜごまかさなければならないのかよくわからなかったけれど、躰はクーラーのなかにいてもカッと火照ってしまう。
そうして努力は報われず、航はますます顔をしかめた。
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