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「具合が悪いっていうんじゃねぇだろうな。熱中症、気をつけろよ」
航は右手を上げたかと思うと実那都の額に手のひらを当てた。
気づけば、こんなふうに航はよく触れてくる。
最初からだ。
だから、実那都としても触れることをあまり意識してこなかったのかもしれない。
「だ、だ――」
大丈夫と云うのに痞えてしまい、実那都はいったん口を閉じてからまた開いた。
「大丈夫。そんなに弱くできてないから」
さり気なさを装って、額から航の手を引き剥がした。
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